次回の青木大膳

第23回「苦い乱捕り」

陳(ゼンジー北京)を斬って得た明渡来の料理には毒が盛られていた。青木大膳(四方堂亘)は毒の苦しみ以上に山本勘助(内野聖陽)の策に二度も引っかかった己の不甲斐なさに自暴自棄になって酒に溺れていた。
大膳は気を紛らわせようと細川氏の内輪もめにかこつけて乱取りに参加するが村娘(夏帆)に手を出そうするときに突如一人の傾奇者に阻まれてしまう。
その傾奇者は白い琵琶をつま弾きながら言い放つ。
「おぬし、乱取りの腕前は本朝で二番目のようだな」
「なに! では誰がこの日の本で一番だと言うのだ?」
不敵に笑う男は自らを指さしながら柳生宗厳(宮内洋)と名乗る。
乱取り天下一を自認する青木は激怒し襲いかかるが酒に溺れ手足の震えがとまらない青木ではろくに立ち向かえない。
青木は逆に、おまえこそ剣の腕は日本で二番目だと言い返し、以前知遇を得た上泉信綱(藤岡弘、)の存在を告げる。
逆上した宗厳は俺より強い奴に会いに行くと言い捨てて青木を放り出して立ち去った。

一難去ったとはいえ、乱取りに失敗し、舌先で武者を追い払うがごとき騙り者になりはてていることに大膳は気が付く。
ふと駿河時代の勘助を思い出し、自らが軽蔑しきっていた勘助と同じ状況になりつつあることを悟ったのであった。



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